言語管理研究会 第28回定例研究会のご案内

言語管理研究会 第28回定例研究会のご案内

テーマ:「評価」研究と接触場面−言語教育における評価と言語管理理論における評価(2)

 今年度は接触場面の参加者のインターアクションに対する「評価」に注目し、特に、「当事者」と「プロセス」の視点から「評価」を再考察することで、接触場面研究や言語管理研究における「評価」の今後の展開を考えることを目的として研究会を開催しています。

第2回目に当たる今回の研究会では、日本語教育における評価研究の専門家をお招きして、「評価」のあり方と研究の多様な可能性についてお話を伺いたいと思います。特に、接触場面の当事者評価から見えてくる新たな示唆や研究の意義についてお話を伺い、今後の課題を考えていきたいと思います。多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

日時:2012年9月29日(土曜日)14:00-16:00

場所:千葉大学(西千葉キャンパス)社会文化科学系総合研究棟4階 共同研究室2

アクセスマップ:http://www.chiba-u.ac.jp/access/nishichiba/

キャンパスマップ:http://www.chiba-u.ac.jp/access/nishichiba/nishichiba_map.html

話題提供1

宇佐美 洋(国立国語研究所)

タイトル:自己と向き合うための評価研究-個人の能力を伸ばす教育から,コミュニティ全体のパフォーマンスを向上させる教育へ-

要旨:本発表では「評価」を,「個人が,外の世界から情報を収集し,解釈し,価値判断に結び付けるための一連の認知プロセス」ととらえる。その認知プロセスは,人により一見極めて多様であるように見えながら,そうした多様性の中に論理的な普遍性を見出すことも可能である。本発表では,評価プロセスの普遍性と個別性について論じたうえで,生涯教育・市民教育の一環として,個人が自らの評価のあり方を内省できるようになることの重要性についても論じる。

 

話題提供2

野原 ゆかり(国立国語研究所)

タイトル:接触場面における当事者評価-ロールプレイ参加者の振り返りから-

要旨:日本語教育におけるこれまでの母語話者評価研究は、評価者が第三者として関わる環境で行われてきた。やりとりの場面が対象となっていても、一方の発話者の言語運用だけが注目され、相手の関与は度外視されてきた。本研究では交渉場面のロールプレイに参加した母語話者と非母語話者に振り返りインタビューを行い、言語運用に対する意識と評価の関係を考察した。その結果、母語話者自身も言語運用を意識し、調整しようとしていることが窺えた。このことから、相手に対する評価活動のプロセスの中に、自分自身の言語意識、言語運用が組み込まれていることが示唆された。

* 言語管理研究会の定例研究会の過去の記録については研究会ホームページをご覧ください。 http://www2.atword.jp/languagemanagement/

* 配布資料準備の都合上、参加希望の方は研究会事務局:muraoka@shd.chiba-u.ac.jpまでご連絡ください。

 

 

 

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